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Flex2が変えるリッチインターネットアプリケーション開発環境
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— エンタープライズ用の業務アプリケーションを開発するエンジニアにはアドビシステムズやFlexの認知がまだ十分でないと思いますが、何か具体的な取り組みは考えているのですか
Whatcott氏:当社はこれまでエンタープライズにはまったくアプローチをしていなかったわけではありません。おそらく他の分野での確立したイメージから、エンタープライズにおいてのアドビシステムズというイメージを持っていただけなかったのかもしれません。当社としてはコンシューマ市場、パブリッシングやWebデザインのプロシューマ市場だけではなく、大企業をはじめとしたエンタープライズ市場でもかなり認知度が高いと思っています。

もちろん、これからもまだ中堅・中小企業などに向けてもっと積極的に取り組んでいかなければならないと考えています。そのためにもFlexがどのようなものかを理解してもらうために、まずは実際に利用していただき、実際に作った上で納得してもらえるように無償でSDKを提供しています。


— 今後も日本市場のエンタープライズ分野においての認知度を上げていくには、パートナー戦略とのタイアップが重要ではないでしょうか。
Whatcott氏 Whatcott氏:私は日本のパートナー企業を数多く訪問しており、実際にお話しする機会が多いです。各社とも深くFlexの持つ意義や可能性を理解していただいており、すでに多くの導入例があります。某銀行においてFlexによる業務アプリケーションの開発が進んでおり、700支店以上で業務のフレームワークで動くアプリケーションを開発しています。さらにインターネットバンキングなどのシステムもFlexで開発しており、銀行全体のフレームワークでFlexが利用されることになります。

小島氏:NEC様やアイティフロンティア様など大手SIerの方々と協力して取り組みを進めており、数多くの案件が進んでいます。また大規模アプリケーションのフレームワークにもFlexが取り入れている企業もあります。


— 業務アプリケーション環境ではグラフィカルな表示を好まないところもあるかと思いますが、このあたりはどのように考えていますか。
Whatcott氏:確かに中堅・中小企業では、グラフィカルな業務アプリケーションを好まないところもあるかもしれません。しかし業務アプリケーションで求められるものは、画面の綺麗さや表現だけではありません。アプリケーションに必要な目的は何かを考えるところからはじめることが重要なのです。

業務アプリケーションで必要なのは、ユーザインターフェースのよさであり、業務を進める上では膨大なデータを処理することが必要です。データの入力の際にミスタイプを減らすためのユーザビリティを高める仕組みを実現するために、Flexは利用されていくでしょう。データ分析がわかりやすくなることで、ユーザビリティや判断基準の提供などを高めて業務の効率化を促進することができると思います。


— いわゆるRIAのほうがユーザの効率向上に結びつくのですか
小島氏 Whatcott氏:生産性だけで十分な利点があります。例えばASPとFlexアプリケーションを比べて、同じ機能と画面を持ったアプリケーションを作ろうとすると、Flexなら1/3以下の時間で開発できます。また節約できた時間でもっと多くの機能を搭載したり、他のプロジェクトを進めるといった人的コストを削減するといった利点が得られます。

小島氏:実際にFlexを利用して開発したアプリケーションの用途として、企業内の業務にに利用するイントラネット向けのアプリケーション開発が6〜7割を占めます。その他にも、BIツールに代表されるダッシュボードアプリケーションの開発にも多く利用されていることにも注目したいと思います。


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