翻訳された英文の表示と読み上げ
2011年8月26日(金)

サービス参照の追加
サービス参照の追加では、Microsoft Translator APIの下記URLを使用します。
http://api.microsofttranslator.com/V2/Soap.svc
VS2010メニューの「プロジェクト(P)/サービス参照の追加(S)」と選択します。「サービス参照の追加」画面が表示されます。「アドレス(A)」に上記URLを入力し(図7)、[移動(G)]ボタンをクリックします。通信が開始され、しばらくすると、「サービス(S)」内にSoapServiceが追加されます。展開するとLanguageServiceが表示され、「操作(O)」内にSpeakとTranslateが追加されています。「名前空間(N)」はデフォルトのServiceReference1のままにしておきます。[OK]ボタンをクリックします(図8)。
| 図7:「アドレス(A)」に「http://api.microsofttranslator.com/V2/Soap.svc 」と入力した(クリックで拡大) |
| 図8:サービス参照の追加を実行した(クリックで拡大) |
ソリューションエクスプローラー内に、Service Referencesというフォルダが作成されます。中にServiceReference1が追加され、SOAP Serviceで定義されているAPIを扱うためのクラスが生成されています(図9)。
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| 図9:ソリューションエクスプローラー内にServiceReference1 が追加された |
次に、ソリューションエクスプローラー内のMainPage.xamlを展開し、表示されるMainPage.xaml.vbをダブルクリックしてリスト1のロジックコードを記述します。
ロジックコードを記述する
リスト1 (MainPage.xaml.vb)
Option Strict On
ゲームクラス (タイマー、ゲーム ループなど) を提供するクラスの含まれる、Microsoft.Xna.Framework名前空間をインポートします。フレームワークコンポーネント (メディアなど)の状態を更新する、FrameworkDispatcher.Update()メソッドを利用するために、この名前空間が必要です。
Imports Microsoft.Xna.Framework
オーディオ再生用のプログラミング・インターフェース (API) を提供するクラスの含まれる、Microsoft.Xna.Framework.Audio名前空間をインポートします。
Imports Microsoft.Xna.Framework.Audio
Partial Public Class MainPage
Inherits PhoneApplicationPage
' Constructor
Public Sub New()
InitializeComponent()
End Sub
定数変数myAppIDを宣言し、値に「Bing Developer Center で取得したAppID」を指定します。
Const myAppID As String = " Bing Developer Center で取得したAppID"
「サービス参照の追加」で作成したクライアントクラスのインスタンスmyClientを、メンバ変数として宣言します。
Dim myClient As New ServiceReference1.LanguageServiceClient
[翻訳と読み上げ]ボタンがクリックされた時の処理
TranslateAsyncメソッドに、何の言語から何の言語に翻訳するかを指定します。書式は下記の通りです。
TranslateAsync(Bing Developer Center で取得したAppID,翻訳するテキスト,どの言語から,どの言語に,ContentType,category)
「翻訳するテキスト」にはTextBoxの値を、「何の言語から」にはjaを指定して日本語から、「何の言語に」にはenを指定して英語に、ContentTypeとcategoryにはNothingを指定しておきます。
Private Sub Button1_Click(sender As System.Object, e As System.Windows.RoutedEventArgs) Handles Button1.Click
myClient.TranslateAsync(myAppID, TextBox1.Text, "ja", "en", Nothing, Nothing)
End Sub
ページが読み込まれた時の処理
TextBoxに表示しておく日本語の文章を指定します。AddHandlerメソッドで、翻訳が完了した時に発生するTranslateCompletedイベントに、イベントハンドラを追加します。イベントハンドラ内では以下の処理を実行します。
翻訳された結果(TransLateArgs.Result) を変数myLanguageに格納し、TextBlockに表示します。英語に翻訳された結果がTextBlockに表示されます。SpeakAsyncメソッドで英語に翻訳されたTextBlock内の内容を読み上げます。SpeakAsyncメソッドの書式は下記の通りです。
SpeakAsync(Bing Developer Center で取得したAppID,読み上げる内容,言語,形式)
「読み上げる内容」にはTextBlockの値を指定し、「言語」には英語を表すenを指定し、「形式」にはaudio/wavを指定します。
次に、AddHandlerメソッドで、読み上げが完了した時に発生する、SpeakCompletedイベントに、イベントハンドラを追加します。イベントハンドラ内では、以下の処理を実行します。
WebClientクラスの新しいインスタンスmyWebClientを生成します。WebClientクラスは、URIで識別されるリソースとの間でデータを送受信する共通メソッドを提供するクラスです。OpenReadAsyncメソッドで、指定したリソースを格納している読み取り可能なストリーム(SpeakArgs.Result)を開きます。リソースは絶対URIで開きます。
AddHandlerメソッドで、リソースを格納しているストリームを開く非同期操作の完了時に発生するOpenReadCompletedイベントに、イベントハンドラを指定します。イベントハンドラ内では、以下の処理を行います。
SoundEffect.FromStreamメソッドで、指定したデータストリーム(OpenReadArgs.Result)にmySoundEffect オブジェクトを作成します。SoundEffectクラスは、読み込まれたサウンドリソースを提供し、Playメソッドを呼び出すことによって複数の SoundEffect を再生できるクラスです。フレームワークコンポーネント (メディアなど)の状態を更新する、FrameworkDispatcher.Update()メソッドを実行します。PlayメソッドでSoundEffectを再生します。これで、英文の読み上げが実行されます。FrameworkDispatcher.Update()メソッドの記述を忘れると再生されませんので注意してください。
Private Sub MainPage_Loaded(sender As Object, e As System.Windows.RoutedEventArgs) Handles MyBase.Loaded
Dim myLanguage As String
TextBox1.Text = "何かお手伝いしましょうか?"
AddHandler myClient.TranslateCompleted, Sub(TranslateSender, TransLateArgs)
myLanguage = TransLateArgs.Result
TextBlock1.Text = myLanguage
myClient.SpeakAsync(myAppID, TextBlock1.Text, "en", "audio/wav")
End Sub
AddHandler myClient.SpeakCompleted, Sub(SpeakSender, SpeakArgs)
Dim myWebClient As New WebClient
myWebClient.OpenReadAsync(New Uri(SpeakArgs.Result, UriKind.Absolute))
AddHandler myWebClient.OpenReadCompleted, Sub(OpenReadSender, OpenReadArgs)
Dim mySoundEffect As SoundEffect = SoundEffect.FromStream(OpenReadArgs.Result)
FrameworkDispatcher.Update()
mySoundEffect.Play()
End Sub
End Sub
End Sub
End Class
最後に、次ページで小さなサンプルを1つ紹介します。
「翻訳された英文の表示と読み上げ」サンプルプログラム_1
「翻訳された英文の表示と読み上げ」サンプルプログラム_2
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