「やる気が続かない」と感じたら! 英語学習を継続するための乗り越え法

2025年5月21日(水)
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
シーズン5の最終回となる今回は、英語学習中にやる気が下がったときに試したいモチベーション回復法と継続のコツを紹介します。

はじめに

「始めたときはやる気がみなぎっていたのに、最近はやる気が落ちて来ているのを感じる」。誰もが一度はこのように感じたことはあるのではないでしょうか。

自分が「やりたい」と決めたことであれば、それが何であっても最初はやる気が100%の状態で始められることが多いでしょう。しかし、一般的には3ヶ月くらいするとやる気が下がってしまうと言われています。

英語学習も例外ではなく、やる気が持続する期間は人によって異なりますが、必ず落ちて来るときが来ます。「頑張っているけれども成果が出ない」「仕事が忙しく学習する余裕がなくなった」「他に夢中になることができた」等々、その理由は色々とあるでしょう。

「もう英語学習自体を止める」ということであれば、やる気の問題とは別かもしれませんが、もし当初の目標を達成したいけれどもやる気が下がって来たときには、今回の記事を参考にしてもらえればと思います。

シーズン5の最終回となる今回は、英語学習に対するやる気が下がったときの対処法について解説します。

学習に対するモチベーションを上げる

まず試していただきたいのは「ちょっとしたことで再度モチベーション自体を上げられるか」です。

学習の目標を再確認する

当然ながら「英語学習を始めるときが一番やる気が高い状態」だと言えます。そこで「なぜ、そのときが一番高いのか」を再度考えてみると良いでしょう。それは、自分が「なぜ英語を習得したいか」という目標や目的が一番明確になっているときだからです。それが明確になることで目標を達成した未来の自分がイメージしやすくなり、やる気が上がるわけです。

しかし、ある程度学習を進めていく過程で想像ほど上手くいかないこと、仕事などとのやり繰りで疲れてしまう等の理由から、その成功した自分のイメージが薄れて、やる気が落ちて来てしまうことがあります。

そういったときには再度自分の目標を確認し、将来的に到達したい自分を想像してみると良いでしょう。成功により自分の人生に変化が起こっていることを想像することで、下がって来たやる気を再度押し上げられることもあります。

初心に戻って、目標を再確認してみてください。

学習の進捗を記録する

モチベーションを上げるためには、学習の進捗を記録することも効果的です。学習を始めた頃から記録をつけている人もいると思いますが、実は「つけていない」という人も多いと思います。

記録を付けることで、例えば1ヶ月継続できると自分の頑張りが目で確認できるため、「自分は頑張っているのだから、絶対に英語は習得できる」という自信につながり、それが結果的にやる気を再度上げることにもつながります。記録を付けずに学習した場合は頑張りを目で簡単に確認することが難しいので、目標に近づいているかどうかも不安になってしまいます。地図を持たずに目的地までひたすら歩いて挫折しそうになるのと同じ感覚ですね。

また、すでに記録をつけている方は、客観的な学習記録をつけることに加え、自分を褒めるコメントを毎日ひと言でも加えると前向きになれます。

過去の学習内容を見返す

学習に対するモチベーションを上げるためには「過去の学習内容を見返す」ことも効果的です。やる気が下がる理由として、成果が実感できるかどうかも挙げられます。実際に上達していても学習者本人が成果を感じられない場合、やる気が下がってしまう可能性があります。英語の上達実感は、日々使わない限り、なかなか得ることは難しいと言えます。

そういったときには、過去の学習内容を見返してみると良いでしょう。それによって、以前学習した際には分からなかったけど、今は分かると感じられたら、上達していることが分かり、やる気を上げることにつながります。

こういった方法でモチベーションを上げることも効果的だと言えます。

学習環境を変える

学習環境はやる気を大きく左右します。例えば、フルリモート勤務では毎日同じ場所で働いていて「ちょっときついな」と感じる場合もあるのではないでしょうか。

英語学習でも同じようなことが言えます。学習環境に何らかの変化を与えることでマンネリ化を防ぐことにつながり、結果的に学習を継続できるようになります。

学習する場所を変える

環境を変える方法で一番に考えられるのは「場所」を変えることです。やる気が下がっているときは、ちょっとした緊張感を与えることも有効です。例えば、自宅で常に学習できるのであれば、誰かに邪魔されたり、時間を気にする必要がないといったメリットもありますが、やる気が下がっているときにはなかなか学習を始められなかったり、集中力が維持できないというデメリットもあります。

そのようなときは、場所を変えることで新鮮な気持ちで学習が出来ることにもつながり、やる気が少しずつ上がって来ることも期待できます。たまにはカフェで学習したり、天気の良い日には公園で学習するといったこともおすすめです。

学習ツールを変える

学習環境を変える方法として「学習ツール」を変えてみるのもおすすめです。普段参考書で学習している人にとって、やる気が下がっているときにはその方法が負担になってしまうこともあります。そのようなときは、例えば単語を学べるアプリを使ったり、YouTubeの英語動画を観ながらリスニングや表現の学習を行う等、学習ツールを変えたり、新たに加えてみるのも良いでしょう。

同じ学習方法を好む人もいれば、それをマンネリと感じてやる気が下がってしまう人もいるので、自身の性格に合わせて工夫してください。

学習する時間帯を変える

学習の習慣化(ルーティン化)は継続のためにとても効果的です。しかし、やる気が下がっていると感じる場合、あえてその習慣化されていることを変えてみるとプラスに働くこともあります。特に学習する時間帯を変えてみると効果があるかもしれません。

例えば、仕事から帰宅した後で学習している方は、もしかしたら翌朝1時間早く起きて朝学習する方が、実は自分の生活リズムや体力的にも合うかもしれません。また、逆に朝学習している方は、少し早く仕事をこなして残業を減らし、帰宅後の夜の時間を学習にあてる方が良いという人もいると思います。このように、学習する時間帯に変化を与えることで、やる気が回復することも考えられます。

環境はやる気に大きな影響を与えるので、やる気が下がっている場合には、試しに環境を変えてみるのも良いでしょう。

小さな達成感を得る

冒頭でも述べた通り、学習に対するやる気が下がる理由には「成果が感じられない」というものもあります。これは必ずしも実際に上達していないわけではなく、「達成感が得られない」ことが大きく影響している可能性があります。

次の3点は、小さいことですが、達成感を得るための効果が期待できます。

毎日英語で日記を書く

1つ目は「毎日英語で日記を書く」ことです。これは学習法として推奨する方も多いですが、日記には小さな達成感を得るために効果的な要素がいくつかあります。

まずは、継続することで単語や表現、文法的な知識が磨かれることです。日記を書く際に分からないことは少しずつ調べるようになるため、知識が蓄積されていき、自然とより洗練された文が書けるようになります。そういった意味で、まずは知識の向上につながります。

そして、この知識の向上が続くことで、数ヶ月前等に書いた日記を読み返した際に「今の方が上手に書けている」と感じられるはずです。そこでも小さな達成感を得られるため、やる気もまた上がっていきます。同時に、継続することで日記をノートに書いていた場合は、その冊数も増えていきますし、PC上で書いても週や月単位でファイルに保存することで、自分の頑張りが目でも確認できます。これも小さな達成感につながります。

毎日新しい単語や表現を1つ覚える

日記を書いたりすることが気持ち的に負担と感じるほどやる気が落ちている場合には「新しい単語や表現を1つでも良いから覚える」といったことでも十分です。これを毎日続ければ、1ヶ月で30から31の単語や表現になります。単語帳をカバンに入れたり、アプリを使えば通勤時に5分でも気軽に行えるので、そこまで負担にはならないでしょう。

短い時間でも何かしら毎日行うことで、小さな達成感につながります。

毎日1日を英語で振り返る

もう1つ気軽に小さな達成感を得られる方法としておすすめなのが「1日を英語で振り返る」ことです。これは、今持っている知識を使って、帰宅時の電車の中やお風呂で湯船に浸かっているとき等に行えます。このとき、単語や文法の間違いを気にする必要はありません。「毎日英語に触れる機会を作っている」ことが大切で、ここからも小さな達成感を得ることができます。

達成感はやる気を上げたり、持続させる力を持っています。そういった意味で、これらもやる気を上げるために効果的と言えます。

無理せず休憩する

最後は、これまでの方法とは異なるものです。やる気が落ちてしまい、これ以上無理やり学習しようとしても英語が嫌になったり、苦痛と感じる可能性がある場合は、思い切って休憩することも大切です。決まった日までに試験に合格しなければならないというわけでもなく、自発的に「英語を学習したい」と考えて始めた場合には、無理することで逆効果になってしまう可能性があります。

「今はどうしても無理だ」と思ったら「休憩する」と決めて、英語から離れるのも良いでしょう。ただし、ある程度休憩期間は決めるようにしましょう。本当に「自分は英語が使えるようになりたい」と思っているのであれば、休憩期間中に少しずつやる気が充電されてくるはずです。

おわりに

何ごとにも、最初から最後までやる気を100%で持続することは困難です。それは英語学習も例外ではありません。英語学習で成功するための秘訣は「目標を明確にし、学習を習慣化して継続する」ことです。そのためには無理をしないことも大切です。最初に頑張りすぎてガス欠になると、やる気も下がってしまう可能性があります。もしそうなってしまったときには、今回で紹介した方法を試してみてください。

さて、今回で「ITエンジニアのためのやりなおしの英語 実践レッスン Season 5」は終了となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

著者
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン 取締役。小学校〜高校卒業までをベルギーで過ごす。上智大学を卒業後、大手英会話スクールにて7年間教務主任として多くのクラスを担当。外国人講師の指導にも従事。マンツーマン英会話教室の代表を経て、2014年から現職にて語学プログラムの総監修を務める。これまで1万人以上にレッスンを提供。TOEIC990点、英検1級。

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