【生成AIツール比較】Google Gemini (Nano Banana) vs ChatGPT

はじめに
この連載は、生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」に集う8人のメンバーでお届けしています。専門家としての知見を持ちながらも、それぞれ少しずつ異なる視点で、最新のAIトレンドやビジネスへのヒントをお届けしています。
記事を通して、“半歩先の未来”を一緒に思い描き、さまざまな価値観や視点に触れていただけたら嬉しいです。
生成AIは、仕事の道具から、私たちの創造性を拡張する「パートナー」へと進化を遂げようとしています。生産性を高めるだけではなく、働き方や生活を変化させています。
この記事では、生成AIの急速な市場成長と、製造業での活用状況、課題、そして具体的な導入事例(旭鉄工、本田技研工業)が紹介し、生成AIの最新のアップデート情報から生成AIの進化を感じてもらえる内容をご紹介します。
市場動向 - 148%成長が意味するもの
ガートナー社の予測によれば、生成AIの2025年の市場支出は142億ドル。前年から148.3%も増加するという、まさに「爆発的」な成長です。
これは、もはや一部の先進企業のおもちゃではありません。ビジネスの勝敗を分ける「必須科目」として、あらゆる業界で導入が本格化している証拠です。特に今、投資の潮流は「特化型AI」へ。汎用的なモデルから、あなたの業界、あなたの仕事に特化したAIへとシフトしています。
【出典】「Gartner Forecasts 148% Year-Over-Year Growth in GenAI Spend 」(NationalCIOReview.com 2025/07/14)
そんな生成AIは現場にどのような変化をもたらしているのでしょうか。日本が世界に誇る「製造業」に着目し現状を紹介していきます!
製造業の期待と課題
アルサーガパートナーズ社の調査(2025年7月)から、製造業の「今」を読み解きましょう。
【光:すでに半数が活用、9割が「効果あり」と実感】
驚くべきことに、製造業の51.0%が既に、生成AIを活用しています。そして活用者の87.6%、実に9割近くが「業務効率が上がった」と回答。「業務スピードの向上」と並んで「アイデアの幅が広がった」という声が最も多く、AIが単なる作業代替ではなく、創造的なインスピレーションを与えていることが分かります。
【影:「どう使えば?」現場の戸惑いと新たな悩み】
一方で、未活用層の約半数が抱える悩みは「具体的な活用方法がわからない」というもの。さらに、「既存システムと連携できない」「AIに頼りすぎて思考力が落ちた」「結果の確認で逆に手間が増えた」といった、導入後ならではのリアルな課題も見えてきました。
【出典】「【生成AI活用実態調査|製造業編】活用者の約9割が業務効率の向上を実感。未活用の理由は「使い方がわからない」」(朝日新聞デジタルマガジン& 2025/09/09)
次は、日本の基幹産業の製造業で生成AI活用が進んでいる企業の事例を紹介していきます!
製造現場での具体的な活用事例
旭鉄工
旭鉄工は、以下の2つの生成AIシステムを導入し、製造現場の改善活動を加速しています。
- 「カイゼンGAI」:長年蓄積された改善ノウハウを集約したナレッジマネジメントツールとして社員の迅速な問題解決に活用
- AI製造部長:AI製造部長は、工場の稼働状況データから生産性向上のためのアドバイスを自然言語で提供
これらの取り組みにより、生産性と品質の向上を実現し、中小製造業における活用の好例とされています。
【参照】「https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/014_04_00.pdf」
本田技研工業
本田技研工業(ホンダ)は、マイクロソフトの生成AI「Copilot」を導入し以下の業務の効率化を実施し、担当者の負担を軽減しています。
- Officeアプリ(ExcelやWordなど)の作業の効率化
- 複雑なデータ解析を行う際に適切なグラフやレポートを自動生成
- 議事録のリアルタイム作成
現場のニーズが明確になる中、テクノロジー企業は私たちの想像を超えるスピードでソリューションを生み出しています。
【参照】「生成AIの活用事例32選(ビジネス・自治体・教育分野)|企業への導入方法も紹介」(SHIFT AI TIMES 2025/08/25)
旭鉄工や本多技研のようにすでに活用している企業は在ります。今後の生成AIはさらに進化することで高性能かつ高機能になることで、活用する企業により大きな変化が起きることが予想されます。
そんな生成AI現状を知るべく、最新のアップデート情報としてGoogleが発表した画像生成モデル「Nano Banana」に焦点をあて紹介していきます!
Part 2:最新ツール - あなたの仕事をどう変えるか?
【創造性の革命】Google Gemini "Nano Banana"
Googleは、新しい画像生成モデルであるGemini 2.5 Flash Image、別名「Nano Banana」を発表しました。Nano Bananaの登場により、Geminiアプリ、Google AI Studio、Vertex AIにおける画像生成および編集機能が大幅に強化されています。この機能は、Gemini 2.5 Flashと2.5 Proの両モデルで使用可能であり、無料プランのユーザーもGeminiアプリから利用できます。
Nano Bananaの主な特徴は、クリエイティブな作業を直感的かつ簡単に行えるようにする以下の3点です
- キャラクターの一貫性
- 対話型編集
- 複数画像の合成
キャラクターの一貫性
一度生成した人物やペットの特徴を記憶し、服装や背景、ポーズを変更しても「そのキャラらしさ」を保ったまま、様々なバリエーションの画像を生成できます。
対話型編集
会話をするように段階的に画像を修正できる「対話型編集」に対応しています。例えば、「まず壁を青くして」「次に本棚を追加して」といった指示が可能です。
複数画像の合成
2枚の写真をアップロードし、AIが自然に組み合わせて、まるで同じ場所で撮影したかのような1枚の画像を生成することができます。これにより、自分自身の写真と着たい服の写真を合成して、コーデの着せ替えを試すことも可能です。
【参照】「Gemini の Nano Banana で、画像生成をもっと楽しく、自由自在に!」(Gemini-GoogleのAI 2025/09/12)
トライ:ChaGPTとNano Bananaを比較しよう!
ChatGPTでも同じプロンプトでトライしました!
トライの条件と比較ポイントは以下の通りです。
・同じ画像を同じプロンプトで編集
・試行回数は1回
比較ポイント:
① 毛並み
② 背景
③ 文字
①毛並み
ChatGPTの方が少し薄く、毛並みの色の濃さが変化した。
②背景
Nano Bananaでは変化しなかったが、ChatGPTでは「木の影」と「池の波」が変化した。
③文字
Nano Bananaでは変化がなかったが、ChatGPTでは変化した。
比較結果
NanoBananaの方がChatGPTに比べ、指示されたポイント以外の変化がしにくいことが分かった。
しかし、ChatGPTとの性能に大きな差はないことが分かった。
まとめ
製造業の調査からは、すでに半数以上の企業が生成AIを活用し、9割近くが効果を実感しているということが分かりました。各ツールもGoogleのGeminiのように進化を続け、「Nano Banana」のように、これまで専門的なスキルが必要だった作業が誰にでも手軽に行えるようになってきています。
一方で「思考力の低下」や「結果の確認に手間がかかる」といった課題を抱える方も出てきているようです。しかし、AIがより高性能になってきた未来では、「AIとの協働力」が必要になると思います。
AIとの協働力に必要なのは、
- AIを盲信するのではなく、そのアウトプットを評価・修正する思考力
- AIを使って何をしたいか?を設定する力と行動力
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